頸椎症性脊髄症(頸髄症) 首の神経が圧迫されて発症する病気

首の神経が骨の変形や靱帯の肥厚、椎間板の突出などによって圧迫をうけることによって発症する病気です。
読み:頸椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)/頸髄症(けいずいしょう)

次のような症状がでたら注意が必要です。

  • 手足のしびれ
  • ボタンがかけづらい
  • お箸が使いづらい/よく落とすようになった
  • 字が下手くそになった/震える
  • 動きがぎくしゃくして歩きづらくなった

検査と治療

まずは症状の聴取と四肢の筋力や反射などの診察をし、レントゲン写真で首の変形、ゆがみ、ずれなどの異常について検査します。
次にMRIを撮影し、神経の圧迫の有無を確認します。
頸椎症性脊髄症の場合、まずは痛み止めやビタミン剤内服・外用、簡易型の頚椎カラーなどを装着して首をある程度固定する装具療法、牽引療法などを行うことが一般的です。

手術の必要性

一般的にボタンがかけられない、字が書けない、お箸が持ていない等の日常生活に支障がある指先の使いづらさがみられたり、足がもつれてよく転んだり、階段昇降に手すりが必要となれば、手術的治療が選択されます。
手術の目的は、圧迫をかけている頸椎の部位を切除し、神経や脊髄を解放することで症状の改善を図ることです。
ただし、症状の程度や患者さんの年齢や合併症などを考慮し、適切な判断が必要です。

リハビリと日常生活

現在のところ頸髄症に効果のあるリハビリはありません
転倒したり頭をぶつけたりする軽微な外傷で脊髄損傷をおこして症状が急激に悪化する可能性があるので、注意が必要です。

日常生活においては頸椎を痛めない姿勢や適切なマットレスの選択に留意します。
総合的に、頸髄症は症状の程度に応じた適切な治療と日常生活の工夫が重要です。
定期的な検診などを行い再発を防ぎながら、健康的な生活を送るように心がけましょう。

間世田優文
整形外科医

間世田 優文 MASEDA Masahumi

平成15年 日本大学医学部 卒業
平成31年まで日本大学板橋病院で整形外科外来医長を務める。
専門は首や腰から起こる手足の痺れ・痛み・麻痺などを扱う脊椎外科。
埼玉県立小児医療センターでの経験から小児整形にも知見があり、全世代を通して地域を支える医療を志す。

  • 日本整形外科学会 専門医
  • 日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医
  • 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科専門医
  • 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科指導医
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