腰椎椎間板ヘルニア 腰椎と腰椎の間にあるクッションが神経を圧迫

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎と腰椎の間にあるクッションのような役割をもつ椎間板という組織が加齢や腰に負担のかかる姿勢や、重たい荷物の持ち運びなどによる負荷、喫煙などにより変性して、椎間板の外郭(線維輪)の断裂が生じ、椎間板の中身(髄核:ずいかく)がはみ出して突出した一部が腰椎の中を走行している神経を圧迫することで発症する病気です。
腰痛や下肢痛、まれに麻痺を起こすことがあります。

検査と治療

まずは痛みの箇所と下肢の筋力や反射などの診察をし、レントゲン写真で、腰の変形やゆがみ、ずれなどの異常について検査します。
次にMRIを撮影し、ヘルニア高位や神経の圧迫の有無を確認します。

痛み止めや外用、簡易型の腰椎コルセットなどを装着する装具療法などを行うことが一般的です。
3ヶ月ほど症状が軽快することが多いです。

痛みがひどい場合は神経根ブロックを行ったり、最近では経皮的に注射でヘルニアを溶かすコンドリアーゼ注入療法という治療も行われています。

手術の必要性

絶対的な手術適応は、下肢麻痺や膀胱直腸障害(うんちやおしっこのコントロールができない)がある場合です。
相対的な手術適応は仕事が休めない、痛みを我慢できないなどの場合です。

手術としては最近では内視鏡下でのヘルニア切除が一般的になってきていますが、大きいヘルニアや再手術の場合は内視鏡での手術が難しい場合があります。

リハビリと日常生活

激しい痛みがある場合は安静に過ごした方がいいでしょう。
痛みが和らいできたら、腰のストレッチや、腰椎牽引などを行ってもいいでしょう。

間世田優文
整形外科医

間世田 優文 MASEDA Masahumi

平成15年 日本大学医学部 卒業
平成31年まで日本大学板橋病院で整形外科外来医長を務める。
専門は首や腰から起こる手足の痺れ・痛み・麻痺などを扱う脊椎外科。
埼玉県立小児医療センターでの経験から小児整形にも知見があり、全世代を通して地域を支える医療を志す。

  • 日本整形外科学会 専門医
  • 日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医
  • 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科専門医
  • 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科指導医
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